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2013年5月25日 (土)

基地局配置の観点から見るドコモとauのLTE

ここ3週間ほど左耳が腫れっぱなしでほとんど聞こえないあんどさんですが、皆様いかがお過ごしでしょうかorz。
auのLTE(iPhone5用を除く以下同)は800MHz帯を基本に1.5GHz帯をトラフィック対策に使うという組み合わせのお陰で、ドコモのXi LTEよりも1年以上後発ながら単純にエリアカバレッジという点では抜き去っています、というよりエリアマップを並べて比較しても圧倒的に広い。また10MHz幅(ペア)で受信最大75Mbpspの基地局の比率が高いのも特徴です。Xi LTEが5MHz幅中心で先行した関係上ユーザー数も多い事もあり、実効通信速度、まぁベンチマーク中心での比較になりますが、au LTEは通信速度面でも概ねXi LTEを凌駕していると評価されています。

一方で基地局数という点では、免許数で比較するとまだXi LTEの方が多いくらい。携帯・PHS関連@Wikiから引用すると、2013/2/16の段階でau 800MHz LTEの基地局数が21355、Xi 2GHzの基地局数が23822です。1.5GHzの基地局もどちらも持っていますが、現状は基本トラフィック対策でエリアカバレッジの拡大には使われていないはずですので取りあえず無視しておきます。まぁ簡単に言うとauは800MHz帯の2GHz帯と比較して良く飛ぶ、反射するという特性を生かして少ない基地局数でも広いエリアカバレッジを実現しているわけです。言い方を変えると基地局密度が低い、とも言えます。

じゃぁ実際どうなのよ、という事で移動しながらの電波の受信強度で比較してみました。端末はauがARROWS ES(FJL21)、ドコモがOptimus Vu(L-06D)で、Xen Serveyというアプリを使ってモニターしています。

Xiau まず駅間を住宅地を抜けて結ぶバスでの移動中。丁度モニター開始と終了がそれぞれ駅前です。auは住宅地に入ると途端に受信強度度が低くなり、3Gへのハンドオーバーこそしなかったものの何度もグラフで底(-113db)を打っているのが分かります。実際この底を打つ受信強度になるとほとんどパケットは流れなくなります。Xi LTEも1度底に近づきますが、ほぼ問題無くハンドオーバーしていますし、住宅地を通過中の受信強度に関しては高いアベレージをキープしています。もちろん端末の特性も無視はできませんが(特にauは悪名高きARROWSですから)、概ね基地局密度の違いが反映されているのでは無いかと思います。

Xiau_2 次は同じ駅間でも鉄道(京浜東北線北行き)での移動中。グラフの中央より少し左のピークが川崎駅で、右端が蒲田駅です。ここでもau LTEは2度ほど底を打っていますが、Xi LTEは1度底に近づきつつもどうにか耐えていますが、駅間のアベレージという点では確実に勝っています。

こうやって比較するとauもトラフィックの多いエリアにはしっかり基地局を打っているものの、そうでないエリアでは800MHz帯の特性を良くも悪くも活用してギリギリの基地局数で運用しているんだな、という点が見え隠れしてきます。もちろんこの2パターンだけで結論づけるのは早計ですが、実際au LTEのARROWS ESを使っていると移動中にまったくパケットが流れない瞬間に出くわす事が結構あります。アンテナバーの表示はそれほどリアルタイムでは無いので一見十分な電波強度に見えるのですが、走行中の電車内などではアプリなどが結構頻繁に通信エラーを起こします。1~2度リトライすれば概ね通信エラーは解消しますが、Xi LTEのOptimus Vuの方が同じ症状に出くわす事は少ないというのが個人的な印象。

もちろんこの受信強度の違いとスループットはまだ別物。ユーザー数の違いなども有って、現時点ではまだまだ10MHz幅メインのau LTEの方がスループットは高い事が多いわけです。au LTEはアンテナバーが1本位の場所でも受信20Mbpsを超える時もありますからやっぱりバカにはできない。

一方ここ数ヶ月の印象だと、au LTEが少しずつ速度低下傾向なのに対して、Xi LTEは最悪の時期を超えて速度が上昇傾向に感じます。3Gとのバランスを取りながら少しずつ10MHz幅化も進めていますし、小型基地局の配備でターミナル駅のホームでXiが繋がらないという事もだいぶ減りましたし、駅間の穴埋めも確実に進んでいます。またauは800MHz帯を使っている以上、基地局密度を高めるには2GHz帯以上に綿密な基地局の配置と調整を強いられます。実際には1.5GHzp帯の基地局を追加して補完する方が多いと思いますが、仮に次期iPhoneがauの800MHz LTEを掴めるとすれば今以上のペースで800MHz帯はスループットの低下が懸念されます。後これは端末側の特性かもしれませんが、LTE-LTEでのハンドオーバーに数秒掛かる時があるので、こんなんでVoLTE本当に早期導入できるの?と疑念も。

ドコモも最近はポートインしてくるユーザーだけ優遇しすぎとか度重なったネットワークトラブルとか一時期のトップキャリアとしての面影は薄くなりつつありますが、エリア展開だけは相変わらず愚直。最後はそこが生命線になる事を理解しているのだと思います。最近Xiでは「Strong.目指すのは強さだ。」を掲げていますが、個人的にはこの路線を守って欲しいなと思います。実際にモバイル環境で必要な通信速度ってそれほど高くはないですから、穴の少ないエリアカバレッジとアベレージで数Mbpsの通信速度を得られる方がずっと重要なんです私には。

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コメント

ソフトバンクも比較ができたらお願いします

いやー、これは非常に興味深い考察。素晴らしいです。

スループットとかカバー率とかの数字だけが一人歩きして、正直モヤモヤしていたんですが、こう言う検証はとても面白いです。

筆者様は、一部の業界評論家の自論を鵜呑みにしてしまってるのでは?と思います。
現時点では、発展途上であるLTEのネットワークを地域限定・日時限定で計測しても、それが実力平均にはならないかと。
基地局密度ということをおっしゃっておられますが、そもそも「密度=数」ではありません。
セクター型基地局(複数アンテナ)でも、オムニ型基地局(1本のアンテナのみ)でも1箇所の基地局免許です。そしてdocomoやauは、3セクターや6セクター基地局を共に多く設置していますが共に数は公表されていません。
何よりも、「数=密度」でないことの1番大きな理由は「契約者数の圧倒的違い」があります。
なぜならば、「基地局免許数=密度」ではなく、「契約者数が多いほど密度が低くなる」のです。
docomo→6,100万契約
au(KDDI)→3,800万契約
ですので、少なくとも現時点でauの方がエリア+密度の両方で優秀なLTEネットワークを提供していると言えるでしょう。
docomoは昔から「NTTだから良いに決まってる!」というブランドイメージがあり、それが業界評論家の意見にも反映されています。(彼らは都会でしか利用しないので。東京・神奈川・千葉+地方の都会。地方の田舎での電波情況の記事は皆無。)
私は、902iシリーズ時代にdocomoショップのスタッフをしていましたが、店頭でお客さんのいない時に実機デモ機と自分のauケータイで毎日のように比較し、つくづくauネットワークの優秀さを実感しておりました。今は、ようやくここ数年docomoはauに追いついた感がありますが、LTEに関してはまだまだ追いつけないでしょう。
契約者数的にdocomoがau並のネットワーク容量を確保するには約2倍の基地局設備が必要です。

【ポイント】

・発展途上であるLTEに関し、auは新機種から2GHz帯にも対応させている。(既存の2GHz基地局はそれなりにありますし、WiMAX基地局への2GHz帯併設も積極的におこなっている。)私の地域では、iPhone5が先月LTEエリア化されました。

・過去の実績。(エリアの広さや品質を追求してきたと言えるのは、いままでauだけであった。)SoftBankが参入当初、「エリアを改善します!」と言いながら設備投資をケチっていたが、債務返済と利益確保ができるようになって尚且つ新帯域を得たことで最近ようやく本格的な設備投資をするようになったことで、docomoもブランドイメージ頼りを止め最近ようやく努力をするようになった。auは?auは他社がそれをアピール材料に使い始めるよりも遥か昔から地道な努力をしてきていると言えます。ようは、企業体質。(自主的or指摘されてやる)

・ネットワークの強さが1番判り易いのは、サービス展開。パケット定額を最初の提供してくれたのはauですが、その半年後に追随したdocomoは高い基本料金プランとしか組み合わせ不可+PCブラウザ対象外。auは1番安いプランとも組み合わせOKで、PCブラウザも対象でした。データ端末の定額は、docomoが2ヶ月早かったですが、料金も高くプロトコル制限がありオンラインゲームなどは出来ませんでした。それに対し、2ヵ月後開始したauは料金も安くプロトコル制限も無しでオンラインゲームをはじめ出来ないことはありませんでした。(ADSLとなんら変わりなく使えた)
制限しないと提供できない=ネットワークが弱い

宣伝下手のau。正直者はバカをみる良い例。

「iPhone5含まず」を「iPhone5含む」の誤記で揚げ足をとられ、叩かれる・・・。
もともとネット上ではAndroidとiPhone5の電波の違いがネガキャン材料であり、みんな知ってたのだが。
そもそも、確実にバレルことを故意にやるはずもなく。

KDDIのような企業が正当な評価をされない限り、日本のケータイ業界は「SoftBankのような都合のよい数字+Yahoo!を筆頭にメディア戦略を徹底する」ような派手な企業が幅を利かし、客の利便性よりも「売上高や利益」を追求する方向へ向かってしまうでしょう。

D.J.パワー・アジア・パシフィック(調査老舗)の過去のデータを見て下さい。
docomoがエリアや品質でauを上回ったのはここ3年くらいです。しかも僅差。(NTTだから良いに決まってる的イメージを差し引くと、未だにauが上では?ともとれます。)
ここ3年くらい以前は、ほぼ10年以上の間auがdocomoよりもエリア品質で勝ってました。でも世の中にそれを知る人がどれだけいますか?
最近は、モバイルブラウズの時代に入ってきたから注目されるようになりましたけど・・・

物事を見抜く目さん、コメントありがとうございます。

私は私で最初に勤めた会社が当時のNTTの移動体事業部の子会社のような処で(入社した時点では電電公社だったから業務委託先かな)、体質的にはNTTが大嫌いな部分もあります。今のKDDIはともかくDDIグループはNCCの時にも既存インフラに依存せず(他のNCCは鉄道なり高速道路に敷設済のネットワークを活用)、一から全国ネットワークを作り上げ、その上で生き残った企業として大変高く氷解しています。

で、コメントには賛同できる部分も多くありますが、やはり私なりの評価もあります。現在ドコモとauはエリアマップ上はほとんど差異の分からないインフラを持っていますが、ルーラルエリアに行くと違いを感じる部分もあります。ルーラルエリアになるとドコモもFOMAプラスエリアが多くなり、800MHz帯を使う点はauと共通。しかし海沿いの道に多いさほど大規模でないトンネルやちょっとした山陰に入ると、圧倒的にドコモの電波が届きます。北海道が特にそうですが、ちょっとしたトンネルで漏洩ケーブルを使ったりしてきちんと奥のほうでも電波が届くようにしているわけです。都市部でも小規模な商業ビルなんかでは地下に入るとauは通路までは電波届くければ店内はアウト、対してドコモは小型基地局をきちんと導入して店内の隅々まで電波が届く、なんてば場所も何か所か知っています。

パケット定額に関しても確かにauが先行したのは事実ですしその後に与えた影響は計り知れません。ただあのタイミングではauが帯域利用効率の高いEV-DOを導入できていたから先行できてたいたのであって、むしろHSDPAを待たずにパケット定額を導入したドコモは無茶するなー、という印象でした。

もっともEV-DOの導入後auは私的には評価を下げていきます。ひどいパケ詰まりが常態化していましたし、都市部においてもエリア構築はいい加減でした。auショップで機変をした時にコンテンツ登録で値引きが条件で、窓口のおねーさんと一緒にEZWebで登録作業を始めたのですが、待てど暮らせど画像が表示されず先に進めない。でもアンテナバーはバリ5。この時期はWn端末を日常的に使ってても似たような事がちょくちょく起きました。実際auはEV-DOに整備を一通り終えるとすでに音声ネットワークはドコモに匹敵するエリアになっている事もありインフラ整備への投資を抑えています。auはバリ5でも繋がらない、それが常態化していた時期もありました。少なくとも都下でauを使い続けていた人なら記憶しているかと思います。

もちろんだからと言ってauのLTEを評価していない訳ではありません。まずは電波を薄く広く、次にギャップを埋めていく、これは一つの正しい道筋です。LTEはcdmaと違って周波数オーバーラップができませんが、auは現状でも3つの周波数帯が使えるから、ギャップは1.5GHzで埋めていっても良いわけです。次期iPhoneが800MHz帯のLTEに対応していれば、順次2GHz帯もギャップフィラーとしての役目を果たすようになるでしょう。

一方で不安なのは企業体力。LTEに関しては予定外に2GHz帯の整備も推し進めた訳ですがら、資金面では相当大変なはずです。今は最速の座にいるといえる800MHz帯のLTEも、次期iPhoneがここを使い始めると一気にスループットの低下が始まるでしょう。今まで通りにLTEは最強のauで居続けるには1.5GHz帯のさらなる整備と端末側の対応(主にAndroid)も必要です。

私もかつてはauの支持派でした。cdms2000という一世代古いネットワークが基盤でしたが、基地局にGPSが必須な事を逆手にとってGPSサービスを真っ先に導入し、狭帯域なのでデータ通信で不利と言われつつも積極的にEV-DOなどで先手を打ってW-CDMA陣営に対抗してきました。ガラケー時代にはIMAPベースのメールも扱いやすくて好きでした。一方で一定の支持を得ることに成功した時期から、サービス面やインフラ整備などで手抜きと感じる部分が増えたのも事実で、それが今のau LTEに対する私の不安に繋がっていると言えるのです。

はじめまして。
Xen Serveyというアプリ(?
試してみたいのですがマーケットの検索に
ヒットしないようです
現在は配布されていないものになりますでしょうか、

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