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2014年1月25日 (土)

VoLTE時代を見据えたらしいソフトバンクの新料金を数字で見てみた

ソフトバンクがVoLTE時代を見据えたという新しい料金プランは発表しました。開始が4月以降ですから、競合の対抗を見据えて値下げの余地を踏まえての内容と思われますが、少し数字でみてみようと思います。

新しい料金プラン(以降面倒なんで新料金プラン)が今までと異なるのは、音声の通話料金に影響しない均一の基本料金と、音声とデータ通信がセットになった3つのプランで構成されます。特徴的と言えるのは既に傘下にあるウィルコムやイーモバイルの一部のプランと同様に他キャリアへ発信した通話でも条件付で無料になる事と、データ通信がプラン毎に一定の無料で使えるデータ通信量を含みつつ、実質の従量性になった事です。現状の発表内容を確認する限り、オプションを契約すれば無料で使えるデータ通信量を超えた場合も最大300Kbpsで通信可能とするオプションが準備されているという事ですから、恐らくはこのオプションに加入しない限りデータ通信量に応じた料金が請求される事になります。もちろん一部を除けば既にLTEでのデータ通信は定額料金内で高速通信可能なデータ通信量に制限が課せられているので同じと言えば同じですが、追加オプションを契約しないとデータ通信料金が定額に納まらないと言う点は、従来と大きく異なる事になります。

定額内に一定の他キャリアへの発信を含む無料通話と通信可能な一定のデータ通信量を含むプランは3つ準備されました。現時点でS/M/Lとなっています。で、文字でガタガタ書くのは面倒なのでw、音声発信時の他社との接続料金や、ドコモのMVNOの料金をベースとしたデータ通信料金との比較を含んだ表を作ってみました。接続料金は2012年度ベースで単価の高いauの区域外にいる端末への発信を基準にしました。データ通信料金はソフトバンク自身がLTEでのMVNOに対する接続料金を開示していないので、ドコモのMVNOがベースです。MVNOの料金はドコモに接続料金を払った上で採算ベースとして設定されているので、比較対象としては悪くないと思っています。実際にはSの3GB/月はU-Next、7GB/月はBiglobe、15GB/月は直接比較対象がいないのでいい加減ですがBiglobeの7GB/月の2契約で換算しています。あ、後全部税抜きね。
  プランS プランM プランL
発信毎の無料通話分数 3分 5分 5分
1ヶ月辺りの最大無料通話発信数 50回 1,000回 1,000回
最大無料通話分数 150分 5000分 5000分
定額に含まれるデータ通信量 2GB 7GB 15GB
定額料金(ISP料金含む) \6,280 \7,280 \10,280
①au区域外への最大接続料金 \891 \29,700 \29,700
②全て対携帯で050plusで置換えた場合の最大通話料金 \2,400 \80,000 \80,000
③全て対固定で050plusで置換えた場合の最大通話料金 \400 \13,333 \13,333
④ドコモMVNOの場合の通信料金 \1,680 \3,790 \7,580
①+④ \2,571 \33,490 \37,280
②+④ \4,080 \83,790 \87,580
③+④ \2,080 \17,123 \20,913
⑤au区域外への1通話辺りの最大接続料金 \17.8 \29.7 \29.7
表をみるとSがほぼ見せかけ用のプランだという事が分かります。ソフトバンクのインフラの維持費が基本料金に含まれていると仮定すると、無料通話をフル活用してもソフトバンク側に発生するコストは大体2600円分しかありませんし、通話を全て050plusに置換えても5980円には達しません。対してMとLは一気にソフトバンク側に発生するコストは上がりますし、無料通話を全て050plusに置換えても随分お得な料金設定に見えます。とはいえ5分以内1000回の無料通話をフル活用した場合なので、普通にまぁあり得ない。但し1日10回3分の無料通話、つまり900分/月ほど使ったとしても、これを050plusに置換えても通話料金は14400円になるのでビジネスベースで対携帯へ短時間通話の多い人にとってはまぁ悪くない料金設定だとは言えるでしょう。ほとんど対固定だったりすると900分/月程度だとお得感は一気に薄まりますけどね。

で、ここで注目すべきなのが通話の無料通話分超過料金。30円/30秒に設定されていて、ホワイトプランを含む現状ローコールプランと言われている料金プランの20円/30秒の1.5倍。auの区域外に音声発信した場合、無料の5分間にソフトバンクがauに支払う接続料金は約29.7円なので、5分を1秒でも超えると無料通話分の接続料はがっちり回収できる仕組み。キャリアってのは慈善事業じゃないから当然損しない仕組みがあって料金体系はなりたつわけだけど、さすがにこれは狡猾かなぁ、という気もします。まぁ一般の人はキャリア間の接続料金何て知ってもいないから、結果5分1秒の通話が30円なら安いと思うのかもしれませんけどね。6分で60円でも1分10円だから安く見えるけど、ソフトバンクは損なんかしてないわけです。

もっともLのパケット通信料金は、現状と比較しても割安感はあります。7GB/月では全然データ通信量が足りない人なら。現状は7GB迄5700円/月、超過2GB毎に2500円ですから、11GBでパケット通信料金は10000円を超えますし、XiのMVNOでも7GB/月だと3790円/月が水準なので、2契約で使い分けたとしても7580円/月は掛かります。Lなら15GB/月迄音声の無料通話込みで9980円ですし、ビット単価に換算して純粋に料金比較(ドコモの月サポ盛り盛り+プラスXi割とかは取りあえず置いといて)するとかなり評価できる。但しこれが評価できるとすれば、現状かなり厳密に適用されているらしいデータ通信量が1GB/3日を超えた場合の翌日の速度規制が緩和される事がまず条件。速度規制を一切受けないように利用すると約10GB/月しかそもそもデータ通信できない訳です。せめて1GB/日位にしてくれないと15GB/月の意味が無い。後ストリーミングの規制も基地局ベースでトラフィック過多な場合にだけして欲しい所。

でやっぱり違和感が有るのはこのプランのデータ通信に「定額」というキーワードを使う所。確かに定額料金内に一定のデータ通信量の料金が含まれているのだけれど、現時点でデータ通信での定額ってのはユーザが意図して手続きでもしない限り定額料金以上は発生しないって認知だと思う。まだまだ導入は先なのだけれど、少なくとも一切の事前手続き無しに定額分超過後のデータ通信料金が自動で課されるような事が無い事を祈るのみだ。取りあえず一番安いので、で契約したがるバカは多いのだからさ。

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